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ジャミング・スプーフィング時代のナビゲーション戦略

Assured PNT — GNSS に頼らない航法の実現

GPS/GNSS 信号への脅威が深刻化する現代、VectorNav の慣性航法技術がいかに ジャミング・スプーフィング環境下でも正確な PNT(Position, Navigation, and Timing) を維持するかを解説します。


Eye-level view of VectorNav inertial navigation sensor mounted on a drone
VectorNav inertial navigation sensor on drone, eye-level view

なぜ今、GNSS の脆弱性が問われるのか

GPS をはじめとする GNSS 衛星は、地表から約 20,000〜25,000 km の中軌道(MEO)を周回しています。 その到達信号は極めて微弱で、周囲のラジオノイズにすら埋もれてしまうほどです。 この本質的な弱さが、現代の電子戦における最大の攻撃面となっています。


ジャミング(妨害)

強力なノイズ信号を GNSS 周波数帯に照射し、受信機が正規の衛星信号を捉えられなくする攻撃。 航空機・船舶・自律機体の測位が完全に失われ、航法不能に陥るリスクがある。 比較的安価な機材で実行でき、近年の紛争地帯で広く使用されている。


スプーフィング(欺瞞)

正規の GNSS 信号に見せかけた偽信号を送信し、受信機を誤った位置・時刻情報に誘導する攻撃。 ジャミングよりはるかに危険で、システムは「正常に動作している」と認識したまま 誤ったナビゲーションデータを参照し続ける。検知が困難なのが特徴。


近年の戦域では、GPS ジャミングが日常化し、 民間航空・海運・ロジスティクス分野でも影響が報告されています。 中東・バルト海・北極圏でも同様の事例が急増しており、これはもはや軍事ドメインだけの問題ではありません。


INS が「最後の砦」になる理由

慣性航法システム(INS)はジャイロスコープと加速度計によって機体の動きを直接計測するため、 外部からの電波信号に依存しません。これが GNSS 妨害環境下での根本的な強みです。 VectorNav は創業 2008 年以来、Extended Kalman Filter(EKF)ベースのセンサフュージョンを 継続的に進化させ、防衛・航空宇宙・海洋・ロボティクス分野の世界 65 カ国以上・数万台に搭載してきました。


  1. EKF タイトカップリング ― フライホイール動作

    航空宇宙グレードの拡張カルマンフィルター(EKF)が GNSS と IMU をタイトカップリング。 アダプティブチューニング・アダプティブフィルタリング・四元数ベース演算で 400〜800 Hz の高レートドリフト補正を実行。GNSS 遮断瞬間に入力を切り離し、 補正済みパラメータのみで慣性フライホイール航法を継続します。


  2. マルチ周波数 / マルチコンステレーション GNSS

    タクティカルシリーズは L1/L2/L5/E1/E5a/E5b のマルチバンド受信機を搭載。 VN-210-S はトライバンド(L1/L2/L5/E1/E5a/E5b)、VN-210E はデュアルバンド(L1/L2/E5b)対応。GPS・Galileo・GLONASS・北斗(BeiDou)・QZSS・NavIC・SBAS の 7 コンステレーションに対応し、 ジャマーが特定周波数を狙っても他の周波数・衛星系でバックアップできる多重冗長構造。


  3. SAASM / M-Code 外部レシーバー統合

    VN-210(E) / VN-310(E) は SAASM および M-Code GPS レシーバーをネイティブサポート。 BAE Systems の MicroGRAM-M・MPE-M などのプラグ&プレイ M-Code レシーバーを AUX ポート経由で統合し、軍用暗号化信号による耐ジャミング性を獲得。

    外部 FOG(光ファイバージャイロ)・RLG(リングレーザージャイロ) IMU との統合で方位の冗長性も確保できます。


  4. Iridium STL® 連携 ― GPS の 1,000 倍の信号強度

    2025 年 4 月、VectorNav は NAL Research と共同で Iridium® STL(Satellite Time & Location)信号援用 INS の開発を発表しました。 Iridium STL は低軌道(LEO)から送信されるため、通常の GNSS より 約 1,000 倍強い電力で到達します。 屋内・都市キャニオン・GNSS 遮蔽環境でも測位を維持でき、 ジャミングへの耐性が飛躍的に向上します。

    VN-210E は 2 本のシリアルポートを備え、Iridium STL レシーバーを含む外部 PNT ソースを接続可能。継続的な高レート位置・速度・姿勢解が得られます。


  5. 速度補助センサー & 非 GNSS ナビゲーション(R&D

    タクティカルシリーズはセンサーハブとして機能し、アンチジャミング/アンチスプーフアンテナ・ スマートレシーバーを外部統合可能。現在研究開発中の速度補助センサーとして、 対気速度・ビジュアルオドメトリ・LiDAR・レーダーオドメトリ(SAR)を検討中。 非 GNSS ナビゲーションとして LEO 衛星信号・ビジョンベースナビゲーションの実装も進行しています。


    タクティカルシリーズは単なる INS センサーではなく「航法フュージョンハブ」として設計されています。 陸・海・空・宇宙のどのプラットフォームでも、同一アーキテクチャで多様な PNT ソースを統合可能です。



日本でのお問い合わせ

VectorNav製品(VN-100/110/200/210/300/310)の日本国内での販売・技術サポートは、正規取扱いの有限会社ユニオンが承ります。ジャミング・スプーフィング対策の構成、SAASM/M-Code・Iridium STL援用INSの導入可否、お見積り・納期まで、お気軽にお問い合わせください。

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